バーチャルオフィスを使った法人登記の手順
1)まずバーチャルオフィスの契約
まずはバーチャルオフィスの契約をします。バーチャルオフィスは基本的には住所を貸し出すサービスなので、各バーチャルオフィスサービスを提供している業者と利用契約を結びます。
勘違いされがちなのは、法人で利用するため、「法人が先に設立されていないと」と思ってしまい、バーチャルオフィスの提供業者の許可無く、先に法人登記を行ってしまうケースがあります。住まいの引っ越しと同様だと考えればわかりやすいのですが、住民票をおくためには、アパートを借りたり、家を建てて物件に住む権利を得てから、住民票をおくと思います。それと同様に、法人の場合もバーチャルオフィスの利用契約を先に結んでから、法人を設立し、その後個人契約のバーチャルオフィスを法人契約に切り替える、というプロセスになります。
2)法人登記の流れ
例)株式会社を設立する場合
(1)会社設立の準備
商号や会社概要を決定します。商号は会社の名前になるため、なんでもいいわけではありません。また、同一住所に同じ商号がある、登記することができませんので、事前に法務局で類似商号がないことを確認しましょう。
(2)印鑑の作成
会社名が決まったら、会社で使用する印鑑の作成です。会社の代表印として法人登記の申請に必要となります。
(3)定款(ていかん)の作成と認証
定款(ていかん)とは会社の根本的な規則を決めた書類です。また、「会社の憲法」とも呼ばれています。会社の決まり事を設立者が決めていきます。「定款の作成」というと、難しく感じるかもしれませんが、雛形がインターネット上にありますので、それをベースに作成すれば問題ありません。
定款を作成したら、公証人からの認証を受ける必要がありますので、会社の住所がある都道府県にある公証人役場へ行って、認証を受けて下さい。
なお、定款の認証には下記費用がかかります。
定款認証手数料(5万円)、印紙代(4万円)、謄本交付料(1枚250円)
(4)資本金の払い込み
定款で定めた資本金の払い込みを行い、その払込証明書を作成します。資本金は法的には1円でも問題ありませんが、1円で会社を設立すると、「事業の実体がない」と見なされ、会社の信用が低くなってしまいます。また、1000万円以上になると、設立初年度の消費税免除が適用されませんので、事前によく考えて資本金の設定をしましょう。
(5)登記書類の作成
資本金の払い込み終わったら、登記書類の作成をしましょう。
下記書類を準備する必要があります。
・登記申請書
・登録免許税の収入印紙を貼り付けたA4用紙
・定款 1部
・発起人の決定書
・取締役の就任承諾書
・代表取締役の就任承諾書
・監査役の就任承諾書
・取締役の印鑑証明書
・資本金の払い込み証明書
・印鑑届出書
・登記すべきことを保存したCD-RやUSBメモリー
(6)会社設立登記
必要書類が全て揃ったら、法人登記の申請をしましょう。申請は本社所在地を管轄する法務局で行います。事前に管轄の法務局とその場所を調べておきましょう。
上記の手順を行い、会社設立は完了です。
会社設立が完了すると、銀行口座の開設や助成金の申請も可能となりますよ。