バーチャルオフィスの受付サービスを考える
バーチャルオフィスは住所のレンタルが主目的のサービスです。ですが、住所のレンタルの他にもさまざまなサービスを提供している会社があります。電話や郵便物の転送、会議室の利用など、各社が差別化を図るために多様なオプションが用意されています。
来客への受付サービスもその一つです。
これは実際にバーチャルオフィスの利用する際、気になるところでもあります。バーチャルオフィスの受付サービスの主な内容は、クライアントや来客への対応と会議室への案内です。中には、専用の受付スタッフを用意してくれるところもあります。大変心強いですが、その分のサービス利用料金が発生します。
では、どのように判断すればよいのでしょう。
そこで、まず、「コスト」と「サービス内容」の二つに分けて考えます。この両者をそれぞれ天秤にかけた結果が、ご自身の事業にとっての受付来客サービスの必要性となります。無論、両方とも大事な要素ですが、この場合においてはこの二つを両立させることは難しいです。そこで、自分にとっての必要な部分を見極めて、上手く釣り合いをとる必要があります。
「コスト」
受付スタッフが必要な場合、ご自分で雇うという方法もあります。ただし、これには雇用費がかかりますし、場合によっては教育しなくてはなりません。対して、バーチャルオフィス側の受付サービスでは、これらの心配がありません。必要なのは、サービス利用料金だけです。
ですが、これがデメリットでもあります。
優れたサービスを利用するのであれば、相応の費用を支払うことになるのは自明ですよね。バーチャルオフィスを選ぶ理由として、真っ先にコストパフォーマンスの良さという点が浮かぶと思います。この利点が、場合によっては帳消しになってしまう恐れがあります。せっかくコストダウンを狙ってバーチャルオフィスにしたのに、一般のオフィスと同じだけのサービスを求めた結果が、レンタルオフィスと大差ない費用になってしまった、というのでは元も子もありません。
「サービス内容」
基本的にバーチャルオフィスを利用している場合、来客時に本人不在は珍しくありません。訪問してくるのは、営業やクライアントの方ばかりではなく、信用調査会社などのケースも考えられます。そんなときに、対応する者が誰もいないのは、大きなイメージダウンです。絶好のビジネスチャンスも逃してしまいます。
また、スタッフの質も重要です。
外国語が話せるなどの能力的な部分で優れたスタッフを用意しているところもありますが、基本である来客対応が大事なポイントです。実務スペースや店舗を持たないスタイルであるバーチャルオフィス利用での事業では、ことさらに多くの強い信用を得なくてはなりません。本人不在というのは、それだけでマイナスであることは確かです。来客によっては当然と考える人もいるでしょうが、先方の心証をそれ以上悪化させないためには、対応のよい受付スタッフが必須です。逆に安心を与えることで、信用を得ることに繋がります。
この点は電話での問い合わせや直接足を運んだときなどに、接客の対応から判断するのがよいでしょう。
このように、「コスト」と「サービス内容」は両方とも欠くことのできない大切な要素です。
先ほど、上手く釣り合いをとるべきだと書きましたが、その基準はご自身の事業に合っているかどうかであることをお忘れなく。すべてが揃っているのは、誰の目から見ても理想ですが、高い費用がかかります。受付サービスに限らず、オプションサービスは、必要なものを必要な分だけ採りましょう。
受付対応にしても、電話転送サービスで十分である場合もあります。訪ねてくる来客が少ないのに、無理をして高額のオプション料金を払うことが正解なのか。
とりあえず、ではなく、よく考えて決めるべきところです。
バーチャルオフィスという選択をした際の判断基準や理由・目的を見失うことなく、ご自身の事業にピッタリと合うサービスを受けることができるオフィスを探しましょう。